Microsoft Forms徹底解説:中小企業のアンケート・申請業務を効率化する使い方と活用事例
「社内アンケートはExcelで集計」「休暇申請は紙で回覧」「備品の申請は口頭で」──
そんな業務フローがまだ残っている中小企業は少なくありません。
デジタル化を進めたいと思っても、「新しいシステムを導入するのは大変そう」「費用も時間もかけられない」という声をよく聞きます。
そこで注目したいのが、Microsoft 365に標準搭載されている「Microsoft Forms(フォームズ)」です。
Formsを使えば、特別なIT知識がなくても、数分でアンケートや申請フォームを作成できます。
しかも、回答結果は自動で集計され、Excelに連携できるので、手作業の集計や紙の回覧が不要になります。
この記事では、Formsの基本機能、他社ツールとの違い、そして中小企業での実践的な活用事例までを詳しく紹介します。
Formsとは?誰でも簡単に使えるオンラインフォーム作成ツール
Microsoft Formsは、アンケート・申請・テストなどのフォームを簡単に作成できるツールです。
Microsoft 365ユーザーであれば、追加料金なしで利用できます。
ExcelやTeamsと連携できるのが特徴で、入力内容の集計や共有が非常にスムーズ。
社内外の業務で幅広く活用できます。
Formsの主な機能
- 質問形式の選択:選択式、記述式、評価スケール、日付入力など、さまざまな形式を設定可能
- 分岐設定:回答内容に応じて次の質問を変える「条件分岐」が可能
- デザイン変更:企業ロゴやテーマカラーを反映したフォームを簡単に作成
- 回答集計:回答結果を自動でグラフ化。ワンクリックでExcel出力できる
- 共有機能:リンク・QRコード・メール・Teamsなど、さまざまな配布方法に対応
たとえば、「アンケートフォームを10分で作成」「回答をリアルタイムで確認」「結果をExcelで分析」といった一連の流れが簡単に完結します。
他社ツールとの比較:Formsの強みと注意点
アンケート作成ツールには、GoogleフォームやSurveyMonkeyなど有名なサービスもあります。
それぞれに特徴がありますが、Microsoft 365を使っている中小企業にとっては、Formsが最も導入しやすく、運用コストも低いと言えます。
| 比較項目 | Microsoft Forms | Googleフォーム | SurveyMonkey | Typeform |
| 主な特徴 | Microsoft 365連携に強い | 無料で手軽 | 分析・配信機能が豊富 | デザイン性が高い |
| コスト | Microsoft 365に含まれる(実質無料) | 無料 | 有料(機能制限あり) | 有料(無料プラン制限) |
| データ出力 | Excelと完全連携 | Googleスプレッドシート | CSV/Excel出力可 | CSV出力可 |
| セキュリティ | Microsoft 365の認証管理下で安全 | Googleアカウント依存 | 外部サーバ利用 | 欧米向け仕様多め |
| 操作のしやすさ | シンプルで誰でも使える | わかりやすい | 機能が多くやや複雑 | 英語UI中心 |
✅ Formsの強み
- Microsoft 365との統合性が高く、Teams・Excel・Outlookなどと自然に連携
- 企業向けのセキュリティ基準で運用可能(社内情報の保護に優れる)
- 費用負担ゼロ:既にライセンスがあれば追加契約不要
⚠️ 注意点
- デザインの自由度はやや低い(見た目はシンプル)
- 高度なアンケート分析(クロス集計など)はPower BIとの連携が必要
Formsは、「シンプルで確実」なフォーム管理を求める中小企業に最も適しています。
Formsの使い方:5ステップでフォーム作成から集計まで
ステップ1:フォームを新規作成
Microsoft 365ポータルから「Forms」を開き、「新しいフォーム」をクリック。
フォームのタイトルと説明を入力し、目的(アンケート/申請/テスト)に合わせて作成を開始します。
ステップ2:質問を追加
質問形式は選択式・記述式・評価スケールなど自由に設定可能。
例えば、顧客アンケートなら「満足度(1〜5)」「改善してほしい点(記述)」を組み合わせると効果的です。
ステップ3:条件分岐を設定
回答内容によって次の質問を変えたい場合は「分岐」を使います。
たとえば、「セミナーに参加した→満足度を質問」「不参加→理由を質問」といった流れが簡単に作れます。
ステップ4:共有と配布
フォームはリンク・QRコード・メールで共有できます。
社内限定のフォームにしたい場合は「職場のユーザーのみに限定」に設定。
外部顧客向けのアンケートでは「誰でも回答可能」にすればOKです。
ステップ5:結果の確認・集計
回答結果はリアルタイムで自動集計され、円グラフや棒グラフで表示。
Excelに出力すれば、さらに詳細な分析や社内報告にも活用できます。

中小企業での具体的な活用事例
① 社内申請フォームの電子化
休暇届・備品購入申請・経費精算など、これまで紙で行っていた申請業務をFormsで電子化。
Power Automateと組み合わせれば、上司への承認依頼を自動送信することも可能です。
→ 効果:紙の回覧・押印作業が不要。申請・承認スピードが2倍以上に。
② 顧客アンケートの実施
イベントや展示会の来場者アンケートをFormsで作成。
QRコードを配布すれば、来場者がスマホから即回答できます。
→ 効果:集計時間ゼロ。結果はリアルタイムで確認可能。
③ 社員研修や教育での活用
Formsの「クイズ」機能を使えば、理解度テストを自動採点できます。
社員の回答結果をExcelで一覧化し、教育成果を見える化。
→ 効果:研修後の確認作業を自動化。担当者の負担を軽減。
④ 社内イベント・アンケート受付
社内懇親会や研修の参加受付をFormsで実施。
出席・欠席情報が自動でExcelに整理され、参加者リストの作成も簡単。
→ 効果:人事や総務の事務作業が大幅削減。

Formsをさらに活かす自動化テクニック
Forms単体でも十分便利ですが、Microsoft 365の他アプリと連携することで、一歩進んだ業務自動化が可能になります。
Power Automateとの連携
- 回答内容に応じて上司に自動通知
- フォーム送信時にTeamsへメッセージ投稿
- 特定条件でExcelに自動追記
Teamsとの連携
- FormsをTeamsのタブとして追加し、会議中にアンケートを実施
- 会議後のフィードバックフォームを自動送信
SharePointとの連携
- フォーム結果をSharePointリストに蓄積し、チームで検索・閲覧可能
- 社内ナレッジとして蓄積する仕組みを構築できる
これらを組み合わせることで、Formsは「単なるアンケートツール」から「業務DXの起点」になります。
まとめ:小さなフォームから始める“身の丈DX”
Microsoft Formsは、中小企業のDXを始めるうえで最適なツールです。
- Microsoft 365に標準搭載(追加費用なし)
- 導入も教育も簡単
- 紙・Excel・口頭業務をデジタル化できる
まずは、
- 顧客アンケート
- 社内申請
- イベント受付
など、日常業務の一部分からForms化してみてください。
Formsを活用することで、現場のちょっとした手間が減り、業務スピードが確実に向上します。
小さなフォームの積み重ねが、企業全体のデジタル化を後押しします。
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