はじめの一歩!インターネットの仕組みと経路を解説
インターネットを使ったビジネスやクラウドサービスを展開する場合、その仕組みや通信経路を理解することはとても重要です。この記事では、自宅のスマホからアメリカにあるYouTubeにアクセスする場合、どのようにデータが到達するのかを順番に解説していきます。
スマホからインターネットへの最初の一歩
まず、自宅でスマホからWi-Fiを通じてYouTubeにアクセスするとしましょう。この時スマホは、最初に無線LANルータ(Wi-Fiルータ)に接続します。そこからLANケーブルに接続された、インターネット(プロバイダ)契約時に届いたONU(光回線終端装置)を経由して外部のネットワークに接続します。
無線LANルータ(Wi-Fiルータ)
スマホとインターネットをつなぐ入口となる機器で、スマホからのデータを電波で受け取り、有線(LANケーブル)経由で次の機器に渡します。
LANケーブル
ルータやONUなどの機器間を繋ぎ、有線でデータを運ぶ役割を持っています。
ONU(光回線終端装置)
光ファイバー回線を利用している場合に、自宅とインターネットサービスプロバイダ(ISP)をつなぐ役割を果たしています。ここから外部のISPへとデータが送られます。

ISP(インターネットサービスプロバイダ)の役割
スマホからのデータは、ONUを通じてまずは契約しているISPに到達します。ISPとは、インターネットへと接続するサービスを提供する会社のことです(NTT、KDDI、ソフトバンク、その他のISPなど)。
ISPの役割
ISPはインターネットへ接続する経路を提供しており、自宅から送られてきたデータを適切な経路へと中継してくれます。ISPの中には、さまざまなネットワーク機器(ルータ、スイッチ)があります。
IX(インターネットエクスチェンジ)とは何か?
ISPを経由したデータは、「IX(インターネットエクスチェンジ)」と呼ばれる接続ポイントを通過します。
IXとは?
IXは、複数のISP同士が直接接続することで、通信経路を効率的にし、データの流れを最適化する役割を持っています。日本国内にも東京や大阪にIXが存在しています。IXを経由することで、複数のISPや企業のネットワーク間で素早くデータがやり取りされ、最適な経路を通じて海外にデータが送信されます。
海底ケーブルを通じてアメリカへ
データは、日本からアメリカに到達するために海底ケーブルを通ります。これは文字通り、海の底に敷設された物理的なケーブルで、膨大な量のインターネットデータを送受信します。
海底ケーブルの重要性
インターネット通信の99%以上がこの海底ケーブルを利用しており、日本とアメリカなど海外を繋ぐ非常に重要な役割を果たしています。
データセンターとGoogleサーバ
海底ケーブルを経由したデータは、アメリカに到着後、Googleなどが運営する巨大なデータセンターへ送られます。
データセンターとは?
サーバなどのネットワーク機器が大量に設置された施設で、YouTubeのようなサービスを動かすためのコンピュータが集中しています。ここでユーザーが求めたデータ(動画など)が処理され、再び日本のスマホまで送り返されます。
Googleの役割
YouTubeはGoogleのサービスですので、Googleのデータセンターに設置された専用のサーバで動画データが格納され、ユーザーへと配信されます。
CDNによる高速化と国内完結化
しかし、実際にはYouTubeなどの大手企業は「CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)」という技術を活用しており、必ずしも毎回アメリカまでデータを取りに行く必要はありません。
CDNとは?
世界中に多数配置されたキャッシュ用サーバ(データを一時的に保存するサーバ)で、動画や画像などのコンテンツをあらかじめ保存しています。ユーザーがコンテンツを要求すると、一番近くにあるキャッシュサーバからすぐにデータが届けられる仕組みです。
国内で完結できる理由
YouTubeの場合、日本国内にもCDNのサーバが設置されています。そのため、多くの場合はアメリカまで行くことなく国内のCDNサーバからすばやくデータを取得できるため、高速で安定したサービスが実現できるのです。
まとめ
自宅のスマホからアメリカのYouTubeサーバにアクセスするまでには、「Wi-Fiルータ」「ONU」「ISP」「IX」「海底ケーブル」「データセンター」など、様々な機器や施設、企業が関わっています。これらが連携して初めて、私たちは海外のコンテンツをリアルタイムに楽しめるのです。また、CDNを活用することで、日本国内のデータセンターだけで完結できるケースも多く、これが快適なインターネット利用を可能にしています。
普段何気なく利用しているインターネットのサービスですが、これから起業し、インターネットビジネスやクラウドサービスを展開する上で、こうしたネットワークの仕組みを理解することは非常に役立ちます。
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