企業が知るべきパスワード管理と二要素認証|安全な「合言葉」の作り方と運用方法を解説

企業が知るべきパスワード管理と二要素認証|安全な「合言葉」の作り方と運用方法を解説

現代のビジネスでは、インターネット上のサービスを利用する際に「パスワード」が欠かせません。しかし、パスワードの取り扱いが不適切な場合、会社の機密情報が漏洩したり、不正アクセスされる危険性があります。今回は、企業が安全にサービスを利用できるよう、パスワード(合言葉)の重要性や適切なパスワードルール、さらに安全性を高める二要素認証について解説します。

パスワードは「合言葉」

パスワードを簡単に言うと、インターネットサービスを利用するための「合言葉」です。例えば、童話の中で宝物を開くための合言葉「ひらけごま」を知らないと宝箱を開けられないように、現代でもサービスにアクセスするためには正しいパスワード(合言葉)が必要です。しかし、この「合言葉」が他人に知られてしまうと、大切な情報が盗まれたり、悪用されたりする危険性があるため、非常に慎重に扱わなければなりません。

サービスごとのパスワードルールを理解する

パスワードにはサービスごとに設定できる文字種や長さが異なります。サービスによっては特殊記号が利用できない場合や、パスワードの長さに制限がある場合があります。そのため、企業でパスワードルールを制定する際には、利用する主要サービスの仕様を確認し、適切なルールを作成する必要があります。

一般的に利用可能な文字種は以下の通りです。
・英字(大文字・小文字)
・数字(0〜9)
・記号(!, @, #, $, %など)

また、以下のような避けるべき文字列もあります。
・社名やサービス名、自分や家族の名前
・生年月日や電話番号など推測しやすい個人情報
・「password」「123456」など単純な文字列

避けるべきパスワードの例と推奨されるパスワードルール

企業が特に避けるべきパスワード例は以下のようなものです。
・password、123456、qwerty などの単純なパターン
・会社名+数字など推測しやすい組み合わせ
・個人情報(名前や誕生日など)を含むパスワード

これらは第三者が簡単に推測できたり、パスワード解析ツールで短時間で解析されてしまいます。
一方、推奨されるパスワードルールは次のようになります。
・8文字以上(可能なら12文字以上)
・大文字・小文字・数字・記号を組み合わせる
・推測困難なランダムな文字列を使う(例:3Jd@7p#Wf!)
・パスワード管理ツール(パスワードマネージャー)を利用して生成・管理する

また、定期的にパスワードを変更するルールを設定するのも有効ですが、頻繁な変更は逆に安全性が下がる場合もあるため、重要度やリスクに応じて期間を決めましょう。

二要素認証|合言葉以外の「もうひとつの鍵」

パスワード(合言葉)だけに依存するのではなく、さらにセキュリティを高める仕組みとして「二要素認証(2FA)」を利用します。二要素認証とは、パスワード(合言葉)の他にもう一つの要素(鍵)を使って本人確認を行う方法です。

以下が二要素認証の代表的な例です。

■ スマートフォンやカード(本人が持つ物で確認)

スマートフォンに表示されるアプリの認証コードや、専用のカードを使って認証する方法です。物理的に本人が持っているものであるため、第三者が不正にアクセスすることが困難になります。

■ 生体認証(本人の身体的特徴で確認)

指紋認証や顔認証など、本人の身体的特徴を使った認証です。リモートワークやスマートフォンでのログイン時に広く利用されています。対面でもリモートでも本人確認の精度が非常に高い方法です。

■ メールやSMS認証(本人に連絡して確認)

登録したメールアドレスや携帯番号に認証コードを送信し、それを入力して本人確認する方法です。手軽に導入でき、利用者にも負担が少ないため多くのサービスで採用されています。

パスワード管理の重要ポイント

企業内でパスワードを適切に管理するためのポイントをいくつかご紹介します。

パスワードマネージャーを活用する

個々の社員が複数のサービスで異なる強力なパスワードを利用するのは難しいため、企業全体でパスワードマネージャーの導入を検討しましょう。

使い回しを避ける

同じパスワードを複数のサービスで使い回すのは絶対に避けるべきです。一つが漏洩した際にすべてのサービスが危険にさらされます。

退職者や異動時のパスワード変更を徹底する

人事異動や退職時には、関連サービスのパスワードを速やかに変更しましょう。これにより情報漏洩や不正アクセスを防げます。

定期的な教育・啓発を実施する

企業内で定期的にパスワードの重要性や適切な取り扱い方法を教育し、セキュリティ意識を高めることが重要です。

まとめ

企業のセキュリティ対策として、パスワード管理は非常に重要です。安全な「合言葉」を作り、二要素認証を導入することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。

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