これだけ理解すればOK!IPアドレスとネットワークを簡単解説 

企業がオフィス環境を整える際、Wi-Fiルータやプリンタ、PCなどの機器を接続するために「ネットワーク」や「IPアドレス」という言葉が頻繁に出てきます。しかし、これらを正しく設定しないと、ネットワークトラブルが頻繁に起きたり、機器同士が正しく通信できなくなることがあります。 
この記事では、社内でネットワーク機器を設定する担当者のために、ネットワークとIPアドレスの仕組みをわかりやすく、住所や町に例えて解説します。 

ネットワークとは「町」のようなもの 

まず、ネットワークとは、複数のパソコンやプリンタ、スマートフォンなどが通信できるように繋がった環境のことを指します。会社内のネットワークを町に例えると分かりやすくなります。町の中には、いろいろな家(機器)があり、それらが道路(通信)を使って自由に行き来しているイメージです。 

IPアドレスとサブネットとは「住所」と「町内」 

「IPアドレス」とはネットワークにつながる各機器を識別する番号です。これは町で例えると各家の住所のようなもので、この住所を頼りに、どこに情報を届ければ良いかが分かります。例えば「192.168.1.10」という番号が割り当てられていれば、社内ネットワーク内でのその機器の住所は「192.168.1.10」となります。 

また、IPアドレスをさらに小さい範囲で区切ったものを「サブネット」と呼びます。町で例えるなら町内会のような小さな区分けです。このように細分化することで、管理しやすく、セキュリティも向上します。 

DHCPとは「住所を自動で割り振る仕組み」 

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)とは、ネットワークに参加する各機器にIPアドレスを自動で割り当てる仕組みのことです。新しい人が町に引っ越してきた時、自動的に住所が与えられるようなイメージです。DHCPを使うと、手動でIPアドレスを設定する手間がなくなり、効率的に機器を管理できます。 

パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスの違い 

IPアドレスには「パブリックIP」と「プライベートIP」の2種類があります。 

パブリックIPアドレスはインターネット上で公開され、世界中からアクセス可能な住所です。いわば一般的な公道に面した住所で、外部に公開されるウェブサイトやメールサーバなどに使われます。 

プライベートIPアドレスは会社の内部や家庭内など、外から見えない私有地の中で使われる住所です。外部から直接アクセスできず、社内の機器同士だけで安全にやり取りするために利用されます。 

社内ネットワークの設定例 

実際に社内でネットワークを設定する場合の具体的な例を挙げてみます。 

IPアドレス範囲とネットマスク 
 一般的に中小企業でよく使われるプライベートIPアドレス範囲は「192.168.1.0 ~ 192.168.1.255」などです。この範囲内にあるIPアドレスを各機器に割り当てます。「ネットマスク」は、どの範囲までが同じサブネットに属しているかを示すもので、例えば「24(255.255.255.0)」というネットマスクは、同じ町内に最大256個の住所(IPアドレス)を割り当てられることを意味します。 

DHCPサーバと割当て範囲の設定 
DHCPサーバは通常ルータに内蔵されており、設定画面でIPアドレスを自動割り当てする範囲を指定します。例えば「192.168.1.10」から「64」個までを自動割り当て範囲とすると、64台の機器に対して自動で住所を割り振れます。 

プリンタなど特定機器には固定IPアドレスを設定 
プリンタやファイルサーバのように、常に一定の住所(IPアドレス)を確保したい機器には、固定IPを設定します。例えばプリンタに「192.168.1.5」というIPアドレスを手動で割り当てることで、常に同じ住所で通信できます。 

社内ネットワークを管理する際の注意点 

社内ネットワークを設定する際には以下のポイントを押さえましょう。 

割り当て台帳の作成 
IPアドレスを割り当てた際は、必ず記録して管理台帳を作成しましょう。後から機器を追加したり、トラブルが起きたりした時にすぐに確認できます。 

セキュリティ対策を意識する 
ルータのパスワード設定、Wi-Fiの暗号化設定などを必ず実施しましょう。これにより、不正アクセスや情報漏洩リスクを低減できます。 

DHCP範囲と固定IPの調整 
自動割り当て範囲を広げすぎると固定IPと重複するリスクが生じるため、適切な範囲設定を行い、特定機器には固定IPを割り当てると管理が容易です。 

まとめ 

ネットワークやIPアドレスの設定は、一見難しく感じますが、「町」や「住所」のような身近な例に例えて考えると分かりやすくなります。初めて設定を行う場合でも、DHCPを上手く活用し、機器ごとのIPアドレス管理を徹底すれば、簡単かつ安全に社内ネットワーク環境を整備できます。 

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